What’s new Lila

我が家の〝センタッキー〝 その1

2009.12.12



もうやがて二十歳に手が届こうとしている息子がまだ小学校の1年生の時、
当時のお友達が、雨に濡れながら登校しました。
傘をちゃんと持っていたにも関わらず、彼が雨に濡れたのには訳がありました。

その日は、春雨の肌寒い日で、駅の西側の山の手は、まだまだ冷え込んだ朝でした。
自宅の坂を降りたあたりで、彼は小さな動物を見つけました。
「コウモリ」
コウモリと言うと、なんだか不気味な吸血鬼の手先を想像しがちですが、そのコウモリは、野ネズミほどの大きさで、柔らかい茶色の毛に覆われています。
息も絶え絶えのその小さな生き物を、傘の中に入れるために、彼は雨に濡れた訳です。

当時の息子達の担任は、若い女性の熱血先生で、私もとても仲良しでした。
先生から朝電話があって、そういう理由だから、なんとかコウモリを助けて欲しいということでした。

車で学校までコウモリを取りに出かけて、自宅に戻り、小さな箱の中に、保温用のカイロを入れて、上に一枚タオルを掛けました。ランドリールームは、朝一番の洗濯時間を過ぎれば、ちょっとした静かな安らぎ空間ですので、洗濯機の上に、その小さな白い箱をそっと置いて、病院に出かけました。
虫の息だったコウモリには、特にするすべも無かったので。

午後、息子から電話があって、こういいます。
「ママ!あのねー、コウモリがいないの!消えたの」きっと、目をまあるくしてるんだろうな。という声色の息子。
「消えるはずないよ。よーく探してくれる?」と、わたし。
「わかった!!」と、息子。

数分ののち、
「ママ!いたいた!〝センタッキーの上にねー。とまってた!!あのねぇ。コウモリって、さかさまにぶら下がって寝るの!!」
と、さらに驚きと感動の声色の息子。

コウモリは、どうやら、低い気温の朝に、低体温状態で、仮死状態になっていたのでしょう。
カイロの暖かさで、元気を取り戻し、這い出して、洗濯機の上に落ち着いたようです。

その日の夕方は、お日さまも顔を出し、気温も上がりましたので、
朝、自らを犠牲にして、傘を差しかけた友人と、息子と共に、保護した場所に、コウモリを放してやりました。
(コウモリの恩返しってあるかしら?でも、真っ黒のマントを着て、シルクハットなんか被ってたら退くわよね・・・)
なんて、不謹慎で余計なことを考えながら。
それでもコウモリは、私の考えをよそに、街灯のあたりを飛び回るお友達のところに、元気に飛んでゆきました。

さて、表題の〝センタッキー〝
息子は、「洗濯機」を「センタッキー」なる、横文字の代物と理解していたようで、その日の絵日記には、確かに「センタッキーの上にとまっていました」と書かれておりました。
こういうたぐいの間違いは、可愛くてどうも直す気になりません(笑)

熱血先生も、自宅で密かに喜んで、この絵日記を、お父さまにもご披露して下さったとのこと。

今朝、壊れた我が家の洗濯機を見て、ふっと思い出した懐かしい記憶です(笑)

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