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思いがけない感動2
今朝、娘を駅まで送る際、また目を皿のようにして庭先を眺めたのだけれど、我が家の蝶ちょは、もう巣立ちの時を迎えたらしく、今朝は、その愛らしい姿は、ありませんでした(涙)
もともと、どちらかといえば、森の中で、樹液を吸って暮らしているのでしょうから、むこうの林の方に飛んでいったのでしょう。
カブトムシたちと、朝、樹液を分け合って吸うのでしょう。
蝶でも、鳥でも、ほんの少し我が家に「いそうろう」して、巣立ったときは、いつもそう頭の中に思い浮かべて想像するのです。
主人は、田舎のお育ちです。
三重県の人なら、「大内山」といえば、「あ、あの牛乳のね」と、必ず返事が帰ってきます。
市町村合併で、つい先だって、町になるまでは、「村」だったところです。
今も、もちろん少し分け入れば、豊かな自然が広がります。
世界遺産に指定され、これも少しまえに有名になった「熊野古道」の入り口が、この主人の里にはありますから、いまや、知名度は、牛乳だけでは無くなったかもしれませんね。
先日の日曜には、お弁当を持って、実家に出かけがてら、「栃古谷」という谷に出かけました。
栃古谷は、熊野古道に続く「つづらと峠」へと繋がる谷ですが、護岸をまったく触られていない、人の手の入らない谷は、それは美しく、紅葉や栃の木が、大きくその手を広げます。
谷底には、様々な下草の植物が、また雨つゆに濡れて、光ったような美しさです。
車は、左右に大きく揺れながらも、そっと山奥に分け入ります。ここはかつて、主人が少年だった頃、あまご釣りの秘密のポイントだったところ。当時は、自転車で分け入ったところに、いまは、それでも自然に敬意を払いつつ、ゆっくりゆっくり進みます。
谷が大きくカーブして、前方が一瞬閉ざされたように、死角になったその刹那、車の前を、一頭の雌鹿が横切りました!
その優美なこと。
「ひょっとしたら、ニングルがいるかも??」なんて、話しながら、登ってきましたので、まるで神に出会ったような、神々しささえ覚えます。
そして、またすぐ横の谷を見れば、それはそれは美しく、また少し昇ってみようという気持ちになるのです。
そして、「もう少しで、車道も終わりになるね。このあたりでお弁当にしようか」と、話したとき、
また、一瞬前の道が大きく曲がり、山の崖が死角になった刹那、
また、一頭の雌鹿です。
もうこれは、神さまの思し召しに違いないわと、内心すっかり感動の私でした。
生まれてはじめての感動でした。
これこそはもう、思いがけない感動です(幸)