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妄想癖
2011.08.14
一昨日、夕刻「もう閉館するわ!」という時間に、美術館に出かけました。
三重県立美術館。
実家のすぐわきにありますが、わたしの自宅からでも車で5分の所にあります。
少し、凌ぎやすくなった夕刻の夏を、それでも日陰を探しながら、娘と歩きます。
「こんな近くに、美術館があるなんて、贅沢で、素晴らしいことやんね。」
娘が言います。

今日は、友人達に出す手紙用の、絵葉書を調達に来たのです。
ここは、今はすっかり美術館として定着しましたが、私にはまだ、この木々の木漏れ日や建物を透して、昔の様子が見えるような気がします。
わたしがまだ、小学生だった頃、ここには三重大学の水産学部がありました。
水産学部の入り口には、小さな池が作られており、そこに豊かに咲き誇る睡蓮の花は、わたしの大好きだったご近所の教授が、お庭で丹精かけて育てた睡蓮を、そっと運んで浮かべたもの。
小さな私だけが、知っている秘密のような気がして、いつも自慢げに眺めていました。
ちょうど、この美術館の階段を上がって、建物があるあたりは、水産学部のグラウンド。
裏は、広くお墓が広がりますが、これはいまも変わりません。
当時はまだ、野犬の群れというのが、あたり前のようにありました。
彼らは、5~10頭ほどの集団で生活をしていたようで、かといって、そのボスになる犬が賢かったのか、私たちや飼い犬たちといざこざを起こすことは、無かったように思います。
捨てる人があるから、群れる。
今思っても、野犬狩りといい、捨てる人といい、処分されたであろう犬達には、何の罪も無いのに・・・と、胸が詰まります。
私は、学校が終わると、よく飼い犬のロンを連れて、このグラウンドに出かけました。
お正月には、父が手作りの蝉だこを飛ばしてくれた、懐かしい思い出もあります。
ロンを遊ばせながら、走らせながら、夕方になると、むこうのお墓との境のがけの上に、時おり野犬の頭が見え隠れすることがありました。
父と一緒の時は、良いけれど、いま来たらどうする?
ひとりで、考えながら、遊ばせます。
ロンは、尻尾を振って、わたしにあそぼ!と、言っています。
けれどもう、妄想の世界は広がって、とどまることをしりません。
「あそこから、もし犬が来たら、ロンを抱いて、頭の上に持ち上げるやろ」
「それから、あの坂を駆け下りよか。下に行ったら誰かがおるわ」
「それとも、足で、走ってきた犬を蹴飛ばせる?」
と、出来もしない方向に考えは飛びます。
で、刹那、横に小さい妹がいることに気付くのです。
「あ!あかん。まあちゃんを抱いて逃げる?ロンは?」
無理やわ。帰ろ。。
と、帰路につきますが、結局、賢い野生の犬たちは、オチビな私たちや過保護なロンには、見向くことはありませんでした(笑)
三重県立美術館。
実家のすぐわきにありますが、わたしの自宅からでも車で5分の所にあります。
少し、凌ぎやすくなった夕刻の夏を、それでも日陰を探しながら、娘と歩きます。
「こんな近くに、美術館があるなんて、贅沢で、素晴らしいことやんね。」
娘が言います。

今日は、友人達に出す手紙用の、絵葉書を調達に来たのです。
ここは、今はすっかり美術館として定着しましたが、私にはまだ、この木々の木漏れ日や建物を透して、昔の様子が見えるような気がします。
わたしがまだ、小学生だった頃、ここには三重大学の水産学部がありました。
水産学部の入り口には、小さな池が作られており、そこに豊かに咲き誇る睡蓮の花は、わたしの大好きだったご近所の教授が、お庭で丹精かけて育てた睡蓮を、そっと運んで浮かべたもの。
小さな私だけが、知っている秘密のような気がして、いつも自慢げに眺めていました。
ちょうど、この美術館の階段を上がって、建物があるあたりは、水産学部のグラウンド。
裏は、広くお墓が広がりますが、これはいまも変わりません。
当時はまだ、野犬の群れというのが、あたり前のようにありました。
彼らは、5~10頭ほどの集団で生活をしていたようで、かといって、そのボスになる犬が賢かったのか、私たちや飼い犬たちといざこざを起こすことは、無かったように思います。
捨てる人があるから、群れる。
今思っても、野犬狩りといい、捨てる人といい、処分されたであろう犬達には、何の罪も無いのに・・・と、胸が詰まります。
私は、学校が終わると、よく飼い犬のロンを連れて、このグラウンドに出かけました。
お正月には、父が手作りの蝉だこを飛ばしてくれた、懐かしい思い出もあります。
ロンを遊ばせながら、走らせながら、夕方になると、むこうのお墓との境のがけの上に、時おり野犬の頭が見え隠れすることがありました。
父と一緒の時は、良いけれど、いま来たらどうする?
ひとりで、考えながら、遊ばせます。
ロンは、尻尾を振って、わたしにあそぼ!と、言っています。
けれどもう、妄想の世界は広がって、とどまることをしりません。
「あそこから、もし犬が来たら、ロンを抱いて、頭の上に持ち上げるやろ」
「それから、あの坂を駆け下りよか。下に行ったら誰かがおるわ」
「それとも、足で、走ってきた犬を蹴飛ばせる?」
と、出来もしない方向に考えは飛びます。
で、刹那、横に小さい妹がいることに気付くのです。
「あ!あかん。まあちゃんを抱いて逃げる?ロンは?」
無理やわ。帰ろ。。
と、帰路につきますが、結局、賢い野生の犬たちは、オチビな私たちや過保護なロンには、見向くことはありませんでした(笑)