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おじちゃんちのコンクリート塀
2011.10.22

車の前、ちょうどお花の咲いているあたりが、わたしたちの社交場でした(笑)
実家の近くの中川さんのコンクリートの塀は、背丈が低くなっています。
珊瑚樹の生垣が美しく、それは、中川さんのおじちゃんの、てごこしい手入れのおかげでしょう。
子供のころは、学校から帰ると、ここがみんなの集合場所になっていました。
塀は、子供のころなら、ちょうど座りよい、心地よい高さで、ここに座って、学校でのあれこれや、
宿題だの、アグネス・チャンの新曲だのを、みんなで話したり、歌ったりしました。
わたしたちの子供のころは、まだこの辺りは、広い空地も豊富で、外での遊びもことを欠かなかったし、
今のように、黄昏時が物騒という、悲しい状況でもありませんでしたから、
おじちゃんの塀は、私たちに、社交の場所として、素晴らしいひと時を与えてくれていました。
当時、我が家には、ワイヤーヘアード・フォックステリアという、妙に長い名前を持つ犬がいました。
長い犬種名の割に、「ロン」という簡潔で短い名前を父からもらったこの犬は、少々横着なところもあって、
後ろ向きになって、家に帰ろうとしたジュンちゃんのスカートに噛り付き、
ジュンちゃんを泣かせたこともありましたが、
並べて、普段は大人しい、甘えっこでした(笑)
ロンも、そういえば、よくこの社交の場に一緒にいました。
学校から持ち帰った、給食のコッペパンを、ご相伴にあずかったり、時には、好物の煮干しを貰ったりしながら、
みんなの「ボディーガード」をしておりました。
そういえば、もうひとつ思い出すのは、夏の初めや、秋の初め。
ちょうど衣替えのちょっと前だったころに、その季節のお気に入りが早く着たくて、着たくて、
母にお願いして、人より一足も、二足も早く、お気に入りのワンピースを着ていたように思います。
そうすると、最初にご披露するのが、この塀のあたりで、
そうすると、おじちゃんが「くみちゃん、気が早いなぁ」と、なるのです(笑)
そういえば今でも、暑さの苦手なわたしは、一足早く、袖なしの洋服を着ますので、
今もおじちゃんは変わらず言います。
「くみちゃん、あんた今からそんなん着たら、夏になったらどうすんの??」
今はもうすっかり秋の気配。
そういえば、今日のワンピースも袖無いなぁ。。。