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祖母の水仙 父の水仙
2012.02.07

お玄関は、春の香りでいっぱいです。
実家から、今年も母の水仙が届きました。
実家の庭は、いまやジャングルと化すほど、母の植物でいっぱいで、
あ、あんなとこに、あんな花あったん??? と、毎回、なにやら増えてゆきます。
表玄関から、裏庭にまわる途中、父の書斎の出窓の横を通り過ぎると、そこには、水仙の群落があります。
これは、もともと祖母の水仙で、祖母の住んだ古い田舎家の裏庭にあったものを、父がここに植え替えました。
で、祖母の水仙は、父の水仙となり、すなわち、母の水仙となったわけです。
父と母は、この水仙でよく喧嘩をしました(笑)
父は、ジャングルと化した庭を、なんとか美化しようと、植木職人になり、鋏を片手に剪定を始めます。
チョッキン・・・チョッキン・・・!!! 父の鋏の音が響きます。
今日は、クラッシック音楽もなし、父のピアノもなし。
代わりに日曜の午前に、父の鋏の音が響きます。
そして、お昼のご飯を終えて、またチョッキン・・。
日差しが夕日に変わろうとする一時間くらい前になると、鋏の音が、心なしか、ご機嫌斜めに聞こえます。
朝より、乱暴な音がします。
「ああ、来たなぁ。。。」と、思う私と妹・・・。
と、刹那。
「ちょっと、おとうさん!!!! 何してくれんの!! それ、蕾の前やのに!! なんで切んのぉぉ。。。」
と、母の声(怒り心頭・・・)
「そんなこと言うんなら、自分で切るやわ。もう知らん!!! 」と、やけくその父。
けれど、やはり母は強く、父は、夕飯時、
「そんなに、怒らんでもええがな。知らんかったんやわ。明日また、買いに行ったらええやん」
と、弱気・・・(だから、言ってるのに・・・と、私と妹)
で、水仙が、たわわに咲くと、毎年母が言うのです。
「お父さん、水仙凄い勢いやわ。切ったら??? 」
父、「・・・・・・・・」
水仙は、あちこちで見かけるけれど、こんなにたわわに花をつけるものは、他には見たことがありません。
祖母の愛情と、父の愛情で、たわわに咲いた水仙の花。
今、この話を母にすると、懐かしそうに、恥ずかしそうに笑っています。
今は、母の大切な「父の水仙」になりました(笑)