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こころ
2012.02.11

夕日の中、橋を渡って、徳島へ。
夏目漱石の小説のタイトルではなく、
何にでも、心が大切ということ。
魂の入ったものには、見る側や、聞く側もまた、魂を揺さぶられるものです。
わたしの父は、製薬会社をしておりました。
主人の薬棚に、今もきっちり鎮座する注射薬。
父は、ジェネリックを嫌いました。
自分で、化学式を理解し、製造工程を把握し、
その製造方法や、効能を、元京都大学の博士とともに、きちんと理解し造ったものを世の中に出し続けた父にすれば、
ジェネリックを嫌うのも、もっともな話とわたしは思います。
今や、ジェネリックと言われる後発薬品も、昔は「ゾロ」と呼ばれていました。
後から、ゾロゾロ出てくるという意味だそうです(笑)
つい先日、調剤薬局に座って、順番を待っておりました。
すると、前の方のお話が、聞くとは無しに聞こえてきました。
「前回は、おたくで薦められて、ジェネリックにして頂きましたけど、なんか飲んでから気分が悪くて、
その前まで飲んでいた、先生の処方のお薬は、そんなこと無かったですけど、それで、今回は前のお薬に
また、戻してくれます?」
ああ、これが父の言う、「たとえ、同じ方法で製造されても、決して同じ効能は得られない」ということかと、密に納得していました。「そりゃ、最初に厚生省(昔は、そう言ったのですね。)に、届けるときの方法っていうのがあって、それを真似して、ジェネリックを造るさ。それでも、その後の微妙なさじ加減や、ノウハウがあって、それは、いちいち変更の通知を出さん。そんなもん、時間かけて、頭捻って造るもんと、同じにはならん。よそさまの薬は知らん。そやけど、わしの薬に関しては、ジェネリックでは同じ効能は絶対に得られへん。」
さて、先日徳島の「大塚国際美術館」というところに出掛けました。
大塚薬品と言えば、大手の製薬会社。
どんな、作品を購入してみえて、どんな感動を与えてくれるだろうと、
ワクワクしながら出掛けました。
ところが、作品はいわゆる銅版画のコピーのみで、そこにはなんら、魂が揺さぶられるような感動はありませんでした。
モネの睡蓮の池など、コンクリートに剥げかけた睡蓮の絵が描かれたお粗末なもので、
何だか、日本人として、「日本文化」を愛したモネに、申し訳ない気がしました。
ブリジストン美術館を思い描いて出掛けただけに、本当に残念。
大塚製薬の美術館を見て、何の感動も無かったわたしは、思わずジェネリックという言葉を思い出しました(涙)
※)・・・ジェネリックと一口に言っても、しっかり効果のあるものもあります。