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- 黒猫モーリスもらって下さい。
黒猫モーリスもらって下さい。
2012.04.10

もう10年くらい前になるのだろうと思います。
「黒猫モーリスもらって下さい」
という記事が、新聞に掲載されました。
10年ひと昔というように、もうあらかた、主人も私も、あたまの隅っこのほうに追いやろうとしていた記憶。
主人の母の書く、日記の中に、母の読む短歌に混ざって、貼り付けられておりました。
ちょっと、くしゃっと曲がりながら、長い歳月、何度も何度も眺めたのでしょうか。
母親は、いつまでたっても、息子を可愛く思うもの。
祖母もしかり、母もしかり、またわたしもしかり。
そっと、ノートに貼り付けて、そっと心に仕舞っていたいた主人の母のことを、また愛おしいと思いました。
それにしても、新聞の主人の若いこと!
モーリスは、地元私立中学高田学苑の生徒さんが、事故に遭った猫を不憫に思い、
また、その心を大切に思った先生方が、一緒にカンパをされて、
主人の所に連れてきました。
「これで、手術をしてください」
小さな黒猫は、当時オリンピックの花形ランナーだった「モーリス」にちなんで付けた名前。
後ろ足は、脊損で動かないけれど、それでも黒猫モーリスは、名前の通りに、一陣の風のごとく、
病院内を走っていました。前足だけで器用に。
モーリスは結局、病院のスタッフの一員になりました。
こうして書いていると、その時の記憶が、まさに走馬灯のごとく頭の中を回ります。
懐かしい、ちょっとキュンとして、それでいて愛おしい思い出です(笑)