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- つばめ・ツバメ。
つばめ・ツバメ。
朝日新聞の天声人語に、つばめが減っているとありました。
わたしが幼稚園のころから、ずっと今まで来続けた「平井花店」のツバメたち。
今年も楽しみに覗いたら、まだ空っぽの巣のままで、
数十年欠かさず訪れていたツバメに、いったい何が起こったの?と、胸騒ぎすら覚えました。
天声人語には、ツバメが巣をかける軒の減少や、周りの環境の変化が大きな要因とありました。
ですが、わたしは一番の原因は、カラスでは?と、ひそかにここ数年思い続けています。
わが家は、動物病院という職業柄、野鳥の救急病院になることもしばしばです。
ですから、わたしも多くの野鳥を、また自然に返すお手伝いを何度か致しました。
その中にも、割合多かったのが、カラスによる害。
先日も、「軒下に今年もまたツバメが巣を掛け、卵を産んだのに、カラスが全部落として食べた」
という、空恐ろしくも、おぞましい話を聞きました。
「そうするとね、もう絶対ツバメは巣を掛けてくれへんわ」
と、悲しげに仰っていました。
また、先日は、「カラスがごみを漁っていたから、しーって、手で追い払うようにしたの。そしたら、急降下して、頭をつつかれて」
と、お医者さまに行かれた方が見えました。
カラスは、知能が高いそうです。
その上、大きく黒い彼らは、圧倒的な強さです。
猛禽類が、まったくと言って良いほど見かけられなくなった今、小さな野鳥を餌にして、
我がもの顔で、飛び回ります。
獣医師というのは、生き物の命を助けることが使命だけれど、カラスの異常な繁殖には、
何か手を施したほうが良いのではと、小さな小鳥の母である(つもり)のわたしは、ひそかに考えます。
本当は、山に広葉樹を植え、川の護岸を壊し、蛇行させ、柳を植え、
もう一度、山野に猛禽を呼び戻すことが出来れば一番良いのでしょう。
人間として、自分たちの横暴を棚に上げ、カラスを恨むのも、少々身勝手な気はするのですが。。。
この家に 福あり燕 巣をつくる 山口誓子