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「一怒一老一笑一少」
2012.07.14

旧博物館前のメタセコイア。夕暮れに包まれるとなんだか生きてこちらを見ている気がしてきます。
メタセコイアは、生きた化石。確かに津市の移り変わりを見てきたと言えば嘘ではないでしょうから。
いつも、信号が赤になり、車を停止させると、不思議な気持ちになるのです。
タイトルの文字が、昨日の天声人語にありました。
週刊朝日の名編集長だった扇谷正造氏のお気に入りの言葉だったそうで、
一度怒れば一つ老い、一度笑えば一つ若返る。という意味なのだそうです。
そしてまた、天声人語には、キレる初老の男性のことが書かれていました。
文章には、わたしの好きな幸田文さんの一文が引用されて、キレる男の人でも、これまた乙な文章で表現されているのが、何とも心豊かになるので不思議です。
作家の幸田文が上野駅の混雑を書いている。
「喧嘩をしにでも出掛けるようなトゲトゲした旅行人がいっぱい」だった。
切符を買っていると背後から「グズっか(ぐずぐず)しやがって」とののしられ、小突かれた。
振り向くとイライラの見本みたいな「男の古いの」がにらんでいた。
父がまだ元気だったころ、正義感旺盛な父は、電車のホームで並んで待つとき、後ろから来た節操の無い「男の若いの」を、
怒鳴って叱った。
みな、疲れた足で、お行儀よく並んで、電車の来るのを待っているのに、その「男の若いの」たちは、やおら電車の窓を外側から手で開け、自分たちの学生かばんを投げ込んだ。これで、幅を利かせて、順番を無視し、座席に座るつもりだったのを、父は打つ側から、そのかばんを外に投げ捨てた。
「さまら、ちゃんと順序と常識を守れ」と。
さて、天声人語にもあったけれど、「怒」というのは大切な感情で、時には正義と共に必要。
けれど、分別のかけらもない「キレる」感情は、またそれとは違うものですよね。
きっとその時、父は共に並んだ人々に一笑して一少となったのでしょう(笑)
けれども私は、とにかくそんな父だったから、トラブルに巻き込まれることを、子供心に心底心配していました。
さてもうひとつ。
日本中が、正義の為に「一怒」しています。
昨日は、日本中で原発反対のシュプレヒコールが巻き起こっています。
原発反対!!! 原発反対!!!
卑劣な政府の言動に、日本中が怒っています。
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さあ、勝利を勝ち取って、そのあと皆で笑い、若さと安全を取り返しましょう!!