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八月がくるたびに
2012.08.17

昭和を初めから生きた父に育てられたせいか、どうも八月は気分が重くなるというか、心のどこかに悲しみの火がちろちろして困ります。
お盆には、ご先祖さまがみな帰っていらっしゃる。
昨日の16日は、京都でも送り火である「五山の送り火・大文字」行われたのでしょう。
うらはらに、新聞を見ると、まだまだ郷里にぬ帰れぬ遺骨のことや、原子爆弾の愚かな行いのあれこれが書かれています。
いじめ問題で揺れる日本だけれど、教育の中に、仏教感や戦争の愚かさをもっと突き詰めて教えてゆけば良いのにと、
ひとり考えたりもします。
お盆休みで溜めていた天声人語を一気に読んで、今日一番に涙した句をここに、書いておこうと思います。
忘れぬように、覚書として。
激しかり敵火の中に我と生きし邦子の写真眺めつつ想う 「きけ わだつみのこえ」より
早大を出て、敗色漂う1944年(昭和19年)秋からフィリピンなどを転々とした陸軍中尉である。
新妻への手紙には「何百枚でも邦子の写真が見たい」とある。その人を二度と抱くこともなく、24歳の彼は鹿児島沖で戦死した。愛する者への思いに今昔はない。これを軟弱とさげすむ世には戻すまい。(天声人語より)
人を恨み、人を苛める心は醜い。
いじめも戦争も、どちらも醜い。