What’s new Lila

偕楽公園のおさるさん??

2012.09.04

    

子供のころは、近くの偕楽公園がもっぱらの遊び場であり、通いなれた通学路の一角でもありました。
偕楽公園は、春の桜が見事です。
わたしたちが小学生のころに、添え木をされて植樹された桜の木は、いまはもうすっかり大きくなり、
苔むした木の幹は、ややもすると苦しそうにもみえるほどですが、毎年たくさんのお花見客を集めています。
あのころは、ちょっとした「小学生レスキュー」で、手折れた桜の木の枝を、もう一度持ち上げて紐で括って繋げてみたり、
暖簾に腕押しの作業でも、子供の心は豊かになったものです。
桜が過ぎると、ツツジの花もまた美しく、それでも人は桜ほどは興味をそそられないのか、すっかり客足の少なくなった公園は、
今度は、遠足や写生大会で賑わっていました。

公園沿いの大きな道は、なだらかにカーブして続いていて、その道が公園から博物館に向かうすぐ手前に、毎年出ている茶店がありました。
茶屋は、水戸黄門や大岡越前に出てくる茶店のように、前に緋毛氈の敷かれた腰掛があり、田楽やみたらしを売っていました。
軒先で、うちわを煽いで焼くでんがくやみたらしは、炭火のほのかな香りと、絶妙な焦げぐあいで、
花より団子の小さな私たちには、一年に一度の楽しみの一つでした。

茶店が閉じられ跡形もなく無くなると、季節は梅雨を過ぎ、蝉の声で、自分たちの話す声も聞こえなくなるほどに賑やかです。
このころ、習字のおけいこの道すがら、公園の中の木々の上に、素足になって登って遊びました。
夏の公園は、緑が大きく傘をなし、下界の気温よりも幾分過ごしやすかった気がします。
あのおさるになった気分の木々を、当時私たちは「リスの木」と呼んでいました。
つるつるの木肌は、本当に滑らかで、足の裏に棘指すこともなく、その上ひんやりと心地よく、
今も、公園のあのあたり。と、情景を浮かべることもできるほどに、鮮明に記憶されています。

あのリスの木は、何の木だったのかしら?と、時折思い出して考えます。
そして、公園の坂を車で降りるにつけ、ひょっとしてこのサルスベリ??と、思うのです。
滑らかな美しい木肌と、ひょいっと肩の力を抜いたような、夢二の描く女性のような木の風情は、あのころの記憶と重なります。

いま、偕楽公園のサルスベリは、紅色の花をつけて満開です。
サルスベリ、サルもすべるほどの滑らかさ。でも、わたしたち山猿は、器用に足の指も使って登り、遠くを眺めていたものです(笑)
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