What’s new Lila

傷跡の上の選挙

2012.12.13
数年前、体調を崩した主人の父を、津市内の病院に連れてゆきました。
病院の診察の後、昔津市内で学んだ父の為に、市内のそこここをドライブしました。
父が最初に実習生として教鞭をとった修正小学校、津と実家を往復した国鉄のあこぎ駅。
そして、むかし父の学舎と寄宿舎のあった場所、今の市役所。
父は、教師になるべく勉学に励んでいました。
ある日、勉強を終えて、いつものように寄宿舎に戻り、友人と麻雀をしていたのだそうです。
いつものように鳴り響いた空襲警報ですが、爆撃の音がただ事ではなかったので、防空壕ににげようと思ったそうです。建物の二階にいた父達は、建物の一番端にある階段に急いで走ると、そこはすでに爆撃によってぽっかりと穴をあけ、下に降りる退路は断たれていたそうです。
とっさに機転を利かした父は、反対側まで走り、下に飛び降りたと言います。
間一髪で防空壕に逃げ込んだけれど、あとに続くものはおらず、大勢の友人が命を落としたと、ぽつりと言いました。
「それからなあ、足の折れた連れと一緒に、ただひたすら、汽車も通らんようになった線路を、家まで歩いたんや」
一昼夜以上掛かって歩いた道のりは、とにかく長かっただろうけれど、自分の目の前で大勢の仲間が爆死した事実が、あまりにも残酷で悲しくて、ただひたすら歩いたといいます。

父はその後、教師になり、校長を長く務めて退官しました。
戦争を文字通り、過酷に生き抜いた父は、やはり我慢強いひとです。

先日、遠方で学ぶ息子の為に、県外期日前投票の手続きの為、市役所に出かけました。
そこにはもちろん、市内で期日前投票をしようと、来所する人々もありました。
市役所は、明るい日差しをうけて、いまはとても平和です。
けれど、父の話をきいてしまうと、どうしてもその時の、その場の、若くして、志半ばで命を絶たれた人々を思ってなりません。
この傷跡の上で、選挙をしているその皮肉に、みな何処に何を望んで投票するのだろうと考えます。

自民党は、公然と「憲法改正」と言います。
改正!と声高に叫ぶ人々は、机上の論理で命令すれば良いけれど、実際に戦うのは、やはり若い世代。
何も知らず、不意打ちで、学び舎で命を落とした生徒だけでなく、また飽き足らずに、若い子供達を戦地に送ろうというのなら、安倍さんあなたと、あなたの息子や娘が行かれればいい。

日曜日の投票を前にして、みなさんはどこに、どんな政党に、何を望みますか?
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