- What’s new Lila
- 子供のころの澄んだこころ
子供のころの澄んだこころ
2013.05.30
息子が小学生の一年生のとき、駅前で綺麗な形の瓶に入ったオーデコロンを拾いました。
走って帰った息子は、得意満面の笑顔を浮かべて、「あのね今日、香水を拾ってね、交番に届けてきたの」
と、言いました。
嬉しそうに話す息子は、まるで花園の中にいるかのように、良い香りがぷんぷんとしていました。
前にも書いたこの話ですが、駅前で数人の小さな男の子が、拾った香水をどうするか、真剣に考えている。
でも、ちょっとどんな香りがするのだろう?と、皆でしゅっとやってみる。
そして、良い香りをフンフン香らせて、落としものです。と、小さい顔が3つくらい並んだら、
さぞ、交番のお巡りさんも、おかしくておかしくて、笑いを堪えるのが大変だったろうなと、
「偉かったねえ。」と、わたしも、笑いを堪えて褒めました。
「ママも欲しかった?」と、ちょっと尋ねてくれたところに、愛情もちらりと垣間見え、こんどはまた涙目で、「偉かったねえ。ほんとにみんな偉かったねえ」と、褒めました。
先日、病院のスタッフがお財布を落としました。
あ!っと気づいて戻るまで数十分。
お財布はすでにありませんでした。
中には、カードや免許証や、お給料日の翌日で、あるていどのまとまったお金。
すぐに警察に届けて、カード類の処置は済ませたものの、いまだに落とし物として届けられてはいません。
お財布は、自分の足で歩けませんから、どなたかが持って行かれたということになります。
そして、香り高い香水のようには交番に届かないと言うことは、どなたかが代わりに所持していることになります。
拾った人は思わないのでしょうか?
きっと、困っているなと。
まして、新しい大切にしていたと思われるお財布なら、ショックだろうなと。
拾ってくれたのが、息子たちのような、澄んだこころの子供たちなら、どんなによかったろうと、
心の底から思います。わたしのなかの正義感が、ふつふつと怒りを覚えます。
だいたい、届けて下さったなら、ちゃんとお礼をするでしょうし、それで中に入っていた金額ぐらいは、
盗らずとも、差し上げるでしょうに。
愚かな人です。