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台風の日に
小学生の頃、台風のさなか学校に登校し、教室で、一時間目の授業の始まりをま待っていると、
校内放送が鳴りました。
内容は、「定められた地区の教室に、各自集合して下さい」というもの。
あらかじめ、学期の初めに、各地区の子ども会で、生徒を集め、指定された教室を教えられます。
そこに、緊急下校の際は、それぞれ集合し、子供会単位で下校するのです。
もう、授業がなくなると思うと、内心は、にんやりです(笑)
その前に、自分のクラスで、その日の給食の為に用意されたパンを貰って帰るのですが、
これがもし「揚げパン」だったりしたら、さらにラッキーです(笑)
下校は、当時まだ、アスファルトの箇所も少なく、学校の前は水浸し。
お気に入りのレインシューズに水が入って、キュッ・キュッと鳴らしながら、妹と手をとり帰ります。
あのころ、電気はまだまだ不安定で、よく停電もしたけれど、それも今思えば、良い思い出で、決して苦にならず、
むしろ、原発の心配なんて無用だったと思うと、なんだか今がかえって不自由に感じるほどです。
葡萄が甘酸っぱいのは、思い出のせい?お味のせい?
その日は、台風で、何故か父が不在でした。
父が後に、「会社の慰安旅行は、こちらの関西組は、飛行機のパイロットの操縦が上手でなぁ、
雲の晴れ間に、上手く下降して降りたから、向こうは貸切や。関東の面々は、中止になって残念やったけどなぁ」と、
ちょっと、イタズラっぽく話していたことがあります。
これは、父の会社の慰安旅行で、八丈島に出かけたときの事ですが、
ひょっとしたら、このときと、私の停電のこの台風の記憶が、同じ日ではと、思ったりします。
とにかく、父は不在で、学校は早引き。
家は雨戸を閉めたてて、おまけに停電で真っ暗。
母は、懐中電灯片手に、「ご飯、できへんねぇ。ぶどう食べよか。」と、キッチンへ。
「ママ!待って~!!」と、腰ぎんちゃくの私の腰に、続腰ぎんちゃくの妹(笑)
「麦茶冷えとんの、持ってくるわ。」と母。
「待って~!!」腰ぎんちゃくと、チビ腰ぎんちゃく。
家の中を、どこに行くにも、母+腰ぎんちゃく×2
父は、翌日台風一過の八丈島を堪能したよと、夕飯にいつものお茶漬けを食べながら、話していました。
私と妹はといえば、あんなに恐がりだった「腰ぎんちゃく」はすっかり返上して、
「あ~ぁ、もう1日台風やったらさぁ、パパもいてさぁ、楽しかったのにねぇ。」くらいのことを考えていたのでしょうか(笑)