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お弁当箱の底
2011.09.27
山の上では、風車が勢いよく回るのが、遠く小さく確認できます。
昨日テレビを見ていたら、牧之原市が、浜岡原発を永久停止にと、訴えを起こしてみえました。
浜岡原発がもし地震で崩壊したら、ここ津市ももちろん被害をこうむるでしょう。
永久停止は、なにも静岡県だけの望みではありません。
いまや、東日本の経済を支えるのは、ここ西日本の役割のひとつ。
もし、崩壊となれば、日本はもう沈没でしょう。
浜岡原発と、中部電力はその防波壁に1000億円をかけると言います。
その大金も、私たちの電気代?
と思うと、もうあまりのことに開いた口が塞がりません。
そして、その上、また子供たちの未来を危険にさらすのです。
さて、もうずいぶん前のこと、どこかの選挙事務所の講演会のお弁当の底に、
一万円札が、ぺらりと入っていたという話を聞いて、
いや、すごいやん。ママも行けば良かった。
と、浅ましい感想を述べて、子供たちに、顰蹙をかったことがあります(笑)
昔、父がまだ中学生の頃、よく母方の実家に預けられたそうです。
祖父は、旧国鉄のエリートとして就職し、将来を約束されたものの、体を壊し、退職を余儀なくされました。
急きょ、実家の戻らざるを得なかった父たち一家ですが、
いや、すごいやん。ママも行けば良かった。
と、浅ましい感想を述べて、子供たちに、顰蹙をかったことがあります(笑)
昔、父がまだ中学生の頃、よく母方の実家に預けられたそうです。
祖父は、旧国鉄のエリートとして就職し、将来を約束されたものの、体を壊し、退職を余儀なくされました。
急きょ、実家の戻らざるを得なかった父たち一家ですが、
父親が働けなければ、母親が家族のために家計を支えなければなりません。
曽祖父が、大きな庄屋の家であったとはいえ、祖母は随分と肩身の狭い思いをしたのだろうと思うと、
私まで、胸がチクリと痛みます。
母親が、週末には田畑の手伝いに忙しく、また日頃は役場に勤めていたから、
父はきっと母方の実家に預けられていたのでしょう。
父を不憫に思った祖母が、自分の母親に父のことを託したのでしょう。
曾祖母にしてみれば、エリート公務員にお嫁に出したのに、こんなはずではなかったと、
きっと娘を不憫に思ったでしょう。
父が遊びに行けば、やさしい、しっかり者のおばあちゃんとして、甲斐甲斐しく世話をし、
「弁当は、わたしが詰めるから!」と、家族の皆に宣言して、
学校に出かけてゆく孫の弁当箱の底に、そっと紙幣を忍ばせたのだと思います。
前述のお弁当の底の紙幣を思えば、卑しい感想しかありませんが、
この父のお弁当の底の紙幣を思うと、
今も胸が痛く、熱くなる私です。
「弁当箱の底のお金はなぁ。弁当の湯気で、ちょっと湿気てたなぁ」と、父は懐かしそうに目を細めていました(涙&笑)