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秋のおわりに・・・

2011.10.15

                 
                             秋の金魚 河治和香 著 小学館文庫

この時期になると、ふと読みたくなる本は、何冊かあります。
そのうちの一冊がこの、「秋の金魚」

幕末から、維新に生きた人々の中で、
こんなひたむきな、そしてこんな形の愛しかたというのも有りかな。
と、なんとも美しく、切なく、そしてこころ洗われる作品です。
また当時の文化や、流行の、まさに流れゆくさま。
そして、こういう人々ありきで、今の平和な日本があると思えば、
まさに平和ボケし、原発問題を、私利私欲に変えて、人の命をモノとも思わない政治に、
あらためて、激しい憤りを感じたりもするのです。

また、ベッドの上で、足をのばして、涙のありったけを流して読んでみようと、
書庫から取り出してきました。

さて、秋の金魚ならぬ、秋のかまきり。
どうも、この秋のかまきりに、切なさを覚えるのですが、
そう言うと、むすめに、
「そんなん。ママだけやわ」と、笑われます。

秋も深くなり、冬の気配を夜長に感じるころになると、
虫の音もほぼ静まって、門燈に舞う虫たちもいつのまにか見かけなくなっています。
それなのに、かまきりだけは、ひとりさみしく、じっと動かず、
今からわが身に訪れる「死」というものを、真摯に受け止めようと待っているような気がしてならないのです(涙)

それでも、わたしがじっと見つめると、
ほんとうはもうそんなに残されてないはずの、力と勇気で、こちらに向かって大きな鋏を奮うのです。
割り箸で、(これも、娘に呆れられますが・・・)かつおぶしを差し出してみますが、
もう断食の行に入っているのか、食しません。

数日して、今年もまたかまきりは、我が家の玄関でこと切れていました。
今日、庭のやまぼうしの足元に埋葬して、また生まれ変わって会いましょうと、お祈りしました(笑)

「ぜったいに、あの網戸にくっついてた子やわ」
「あっそ」

「お玄関ってことは、ママに会いに来たんやわ」
「・・・・・。」
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