- What’s new Lila
- 字幕のおはなし
字幕のおはなし
2011.10.18

字幕の花園 戸田奈津子著 集英社文庫
英語の勉強に余念の無い娘が、最近興味を持って読んでいる本の中に、興味深いものを見つけました。
『字幕の花園』というタイトルのその本は、翻訳家の戸田奈津子さんのエッセイ。
ブラッドピッドとの羨ましいツーショットの陰には、並々ならぬ努力と、素晴らしい生きる姿勢が感じられます。
その中で、ちょっと面白かった内容。
最初、日本には翻訳家という職業は無かったそうです。
テレビが普及しておらず、みな銀幕のスターに沸いた時代。
アメリカは、日本に映画を持ってゆくにあたり、自分たちで「吹き替え」版を作ろうということになった。
ところがこの吹き替えに参加された日系2世の方たちは、多くが広島県出身で、
吹き替えが全部、広島弁になってしまった。
これでは使えないというので、急きょ字幕を採用することになった。
当時の翻訳家は、アメリカの映画配給会社にお勤めされていた、外国語の堪能な日本人。
その方々が、やがて、独立してフリーランスの翻訳家となった。
これが、字幕の始まりというから驚きです。
考えれば、日本語ほど難しい言葉は無いかもしれません。
日本がいまや、外国映画を字幕版で鑑賞する、数少ない国であるのは、そういったことも影響しているのかもしれません。
ちなみに、日本初の字幕スーパー映画は、「モロッコ」だそうです。
わたしは、映画を観るとき、必ず字幕で鑑賞します。
最近は、吹き替え版が流行と聞いて、なんだか残念でなりません。
映画は、その役者さんの声のトーンや、笑い方、そして、歌う時なら、その歌声もなおさら、一つの大きな要素に思えるからです。
また、そうだから、我が家の子供たちは、物心つく前の幼稚園のころから、字幕で映画を見せていました。
わたしが、かいつまんで説明しながらでも、子供の見る映画なら、なんとか理解できたのでしょうと、英語が得意な二人を見ながら、そう思うことにしています(笑)
「そうやん。右脳教育やん」
「うわっ。都合のええこと!!」